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織田作之助 声: 小野坂昌也
武器 派閥 無頼派
代表作 夫婦善哉 青春の逆説
回想 夫婦善哉 夫婦善哉 夫婦善哉

大阪で生まれ育った、生粋の大阪弁を話す陽気な青年。美男子を自称するなど歯に衣着せぬ物言いが目立つ。持ち前のサービス精神から無理をし過ぎてしまうことも多いが、周りの心配に対しては独特の高笑いで誤魔化すばかり。どうやら体があまり強くないことを気にしており何が何でも明るく振る舞おうとしているようだ。

モデルになった織田作之助はこんな人!

筆名:織田作之助
本名:筆名と同じ
出身地:大阪府大阪市南区
生年月日:1913年10月26日
没年:1947年1月10日(満33歳没)

生涯

仕出屋の織田鶴吉の長男として誕生。

当時両親が母方から結婚を反映されており、戸籍上は母の兄・鈴木安太郎の甥、鈴木作之助として登録された。

優秀な成績を収めて第三高等学校に入学するが、卒業試験中に喀血して療養生活を送る。

それ以来勉学に対する意欲を失い、出席不足で退学。しかし同時期に作家活動をスタートした。

当初は劇作家を志望していたが、スタンダールに影響を受けて小説家に転身。

1938年に処女作『雨』を発表している。

やがて日本織物新聞社や日本工業新聞社へ勤務する傍らで作家活動を続け、『夫婦善哉』が改造社の第一回文芸推薦作品となったことを機に本格的な作家生活に入る。

1946年、結核により33歳の若さでなくなるまで、精力的に活動した。

作品の特徴

「柳吉が蝶子と世帯を持ったと聴いて、父親は怒るというよりも柳吉を嘲笑し、また、蝶子のことについてかなりひどい事を言ったということだった。

――蝶子は『私のこと悪う言やはんのは無理おまへん』としんみりした。

が、肚の中では、私の力で柳吉を一人前にしてみせまっさかい、心配しなはんなとひそかに柳吉の父親に向って呟く気持を持った。」(『夫婦善哉』より)

太宰治や坂口安吾らとともに無頼派、新戯作派と呼ばれる作家。

文学に高尚な芸術性を求めず、俗世間の人々をユーモアたっぷりに、いきいきとした筆致で描き出した。

地元である大阪を舞台とすることにこだわり、当地の人々の暮らしを描写した。

関西弁を使用した口語表現も温かみがある。

人間関係

【室生犀星】

織田の『俗臭』を芥川賞候補として推薦した。

趣味・嗜好

【カレー好き】

大阪のカレーの名店、自由軒の元祖・混ぜカレーを好んで食べたという。

本店には『トラは死んで皮をのこす/織田作死んでカレーライスをのこす』と書かれた額縁付きの写真が飾られている。

【恋愛観】

愛妻家で、最初の妻の一枝の遺髪と彼女の写真を肌身離さず持ち歩いていた。

代表作

『夫婦善哉』
親の反対を振り切って、駆け落ちで結婚したしっかり者の芸者と、頼りない旦那の夫婦を描く。

旦那の体たらくにしばしば呆れ返る妻だが、なんだかんだで決して別れずに暮らす仲のよさが魅力。

『青春の逆説』
過剰な自意識に振り回される青年の成長を描く、自伝的小説。

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