ゲームの発売から約1年の時を経て開催されたスペシャルイベント
2017 年2月19日、埼玉・東松山市民文化センターにて、PS Vita用ソフト『百花百狼 ~戦国忍法帖~』のイベント、朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』が行われました。
2016年の発売以降もファンから根強い支持を得ている本作。朗読劇の内容もとても重厚で、役者陣の演技が光っていました。昼夜2回行われたイベントのうち、昼の部の模様リポートします。
出演者は、羽多野渉さん(月下丸役)、下野紘さん(黒雪役)、鳥海浩輔さん(百地蝶治郎役)、津田健次郎さん(服部半蔵役)、緑川光さん(石川五右衛門役)、宮田幸季さん(徳川家康役)、そしてアーティストのMIKOTOさん。
主人公も会話に混ざる臨場感溢れる朗読劇
物語は、黒雪のモノローグから幕を開ける。
主人公の槐(えんじゅ)に並々ならぬ想いを寄せる黒雪は、8年前に引き裂かれた槐と絆を取り戻すために、秀吉の暗殺という密命の遂行を固く誓う。
そこへ、月下丸の衣装に身を包んだMIKOTOさんがステージに登場。テーマソング『月下の唄は影よりも黒く』を熱く歌い上げ、観客たちをさらに深く戦国の世へと導いていく。
序盤の流れは、ゲームと同じ。甲賀忍である槐、月下丸、黒雪、蝶治郎たち一行は、石田三成の命を受けて京を騒がす大泥棒・石川五右衛門が次に狙う屋敷を突き止めることになる。
その任務の最中、五大老会議のために京を訪れていた徳川家康が何者かに襲われ、服部半蔵とともに事件の黒幕を捜すことに……。
場面は変わり、徳川家康が身を寄せる屋敷のシーンへ。槐の立ち絵とセリフが表示され、家康と会話をしていくという衝撃の演出方法に、場内から驚きと興奮が入り混じったような声が上がった。
しかし、この演出は物語へ没入するいいアクセントとなり、次第に観客たちはテンポのよい会話劇に引き込まれていく。
石川五右衛門がつぎに狙う日時と場所がわかって任務完遂まであと一歩と迫り、思い思いの時間を過ごす一行。
その裏で、暗躍する石川五右衛門。さらには、黒雪の思惑も交錯し、物語は混沌とした渦の中へ……。
ゲームとはまったく違った物語の帰結
迎えた運命の日。甲賀忍たちは石川五右衛門を捕えるため、激しく刀を切り結んでいく。
息もつかせぬ怒涛の展開とキャスト陣の迫真の演技に、観客たちは固唾を飲んで物語の行方を見守る。
対峙する槐と石川五右衛門。結果軍配は槐に上がり、石川五右衛門を捕えることに成功。
しかし、その裏で黒雪が秀吉の命を狙っていた。そこへ家康が現れ、黒雪が抱える陰惨な過去と思いを優しく包み、解き放つ。
そして、家康から甲賀忍に新たな任務が下されるのだった……。
物語を締めくくるのは、MIKOTOの『蒼い散華』。美しいバラードの旋律と甘く切ない歌声が会場を満たし、1時間半にも及んだ長丁場の朗読劇は終了した。
キャスト総登場による爆笑トーク!
6名のキャストがステージに姿を現し、トークタイムへ。宮田さんが「名前だけでも憶えて帰ってください」と自己紹介をすると、全員がその流れを継いで名乗り、会場からは笑いが巻き起こる。
自分が演じたキャラクターの話や歴史ものを演じる難しさなど真面目な話の一方で、グッズをテレビショッピング風に紹介したり、途中でグッズのラムネを食べてしまうといったフリーダムなやり取りもあり、観客の笑いを誘った。
ラストはアーティストのMIKOTOさんもステージに登場し、ひと言ずつイベントの感想を述べていく。
そんななか、羽多野さんが話をし始めようとした瞬間、突如会場にゲームのBGMが流れ出し、いかにもイベントが終了したかのような雰囲気に包まれた。
これには羽多野さんを始め、ほかの出演者や観客たちもビックリ。羽多野さんは「待って! しゃべる!! 東松山まで来たんですよ!?」と絶叫し、会場は爆笑に包まれた。
改めて羽多野さんが感想を述べ、出演者全員で「ありがとうございました!」とイベントを締めくくる。
会場がまだまだ余韻に包まれるなかキャストたちがステージから去り、本イベントは終了となった。
<取材・文/菅谷あゆむ>
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