黒歴史? それとも感動超大作?
人気ゲーム実況者・幕末志士が手がけた恋愛シミュレーションゲームのコミカライズ作品『キリザキ君は。』のコミックス第1巻が2019年4月27日に発売されました。
主人公・高モリ子(たかもりこ)が通う学校に突如転校してきた奇抜な転校生・霧崎鋭(きりざきえい)。
天然ほわほわと黒歴史の固まり、そんなふたりのほのぼのとした恋愛模様が描かれます。
RPGアツマールにて公開中の原作ゲームでは、過去に坂本さんがやらかしたとされる黒歴史を、これでもかというほど霧崎くんがやっぱりやらかしており「これは恋愛シミュレーションなのか……?」となるほど笑いがてんこ盛り。
ですが、物語が進めば進むほど涙なくしては語れない、多くのユーザーを感動の渦に巻き込んだ作品となっています。
そんな黒歴史と感動が同居した『キリザキ君は。』のコミックスが平成最後の土曜日に発売されたことを記念し、“令和最初に読みたい1冊”にふさわしい本書の魅力をご本人にインタビューしました。
▼幕末志士の坂本さん・西郷さんが語る『キリザキ君は。』
キリザキ君の中の人が来た!
――今日は西郷さんはいないのですか?
坂本さん ええ、今日は原作者インタビューということで、珍しく僕だけです。西郷さんは自宅で『進撃の巨人2 -Final Battle-』(※)のやり込みをしてます。
僕も西郷さんがいないと坂本になりきれないので、今日は「幕末志士の坂本」ではなく、「キリザキ君の中の人」として取材にお答えしたいと思っています。何でも聞いてください。
※新作ゲーム『進撃の巨人』とのコラボが決定している幕末志士。以前のインタビューで、西郷さんの極みプレイと実況動画の公開日を、坂本さんが約束している。
――4月27日、コミックス第1巻発売の日をどんな気持ちで迎えましたか?
坂本さん(キリザキ君の中の人) 万感の思いです。まさか僕の闇に葬りたい過去が、時を経てコミックスになって世に出るとは思いもしませんでした。
ゲームを作っているとき、当時を思い出して奇声を上げながらシナリオを書いていたのも今では良い思い出です。さまざまな人の協力により、ついに僕の黒歴史も白歴史に浄化したのだと思います。本当に嬉しいです。皆様ありがとうございました。
というわけで、白歴史化記念としてコミックスを1万冊買い付けました。僕のチャンネルに入ってくれている会員の皆に押し付け……プレゼントしたいと思っています。
僕は白歴史が周知されて喜び、編集部はコミックスが売れて喜び、会員はタダで読めて喜ぶ。トリプルwinですよねジッサイ。三方良し。
※冗談でもなんでもなく、彼は幕末志士チャンネルの4月会員無料プレゼントのためにコミックス1万冊を自費購入している。前代未聞の「作者が1万冊購入」にコミックジーンの編集部は泣いて喜んだという。さすがにキリザキ君の中の人だけあってぶっ飛んでいる。
――今だから言える漫画制作時の裏エピソードを教えてください!
坂本さん(リアルキリザキ君) いろいろあるのですが、とにかくプロの漫画家って本当にすごいと思いました。
今回『キリザキ君は。』はわんにゃんぷーさんに作画を担当してもらっています。いつもSkypeで打ち合わせをして漫画を描いてもらっているのですが、正直僕のネーム雑の極みなんですよね。
ほとんど箇条書きだったり、たまにExcelのオブジェクト機能を使った挿絵が入ってるとか……。多分毎回このネームをもらったわんにゃんぷーさん、顔引き攣ってたと思うんですよ。
でもそんなクソネームでも、次の日にはラフ絵が出てくる。しかも書いてないことまで補完されてるんです。プロの凄さを見せつけられました。
今となっては漫画の99%くらいはわんにゃんぷーさんが補完してくれてます。プロ様様ですよ。
……え、じゃあ原作者要らないんじゃないかって? それを言っちゃあおしまいでしょう……。
――今回のコミックスでは、一部店舗にてわんにゃんぷーさんと西郷さんの描き下ろしペーパーが特典でついてきます。制作者の西郷さんにこのあたりをお聞きしたいのですが……今日いないですね。
坂本(リアルキリザキ君) 西郷さんから言伝を預かっています。
「描き下ろしペーパーですが、わんにゃんぷーさんが描いたものは大切に保管してください。私の描いたペーパーは鍋敷き用に使ってくだされば幸いです」とのことです。
西郷さんのは謙遜じゃないと思います、正直プロのイラストとセット特典になってるのはクルものがあると言ってました。僕からもぜひ鍋敷きでお願いします。
【特典情報】
4/27(土)発売のコミックス『キリザキ君は。』①巻の応援店用 描き下ろしペーパー特典のお知らせです。アニメイト店舗・他一部書店での購入で描き下ろしペーパー(わんにゃんぷー、幕末志士 西郷)を配布いたします。※特典は各店、数に限りがございます。ご了承ください。 pic.twitter.com/AMw1v0L4Aw
— 月刊コミックジーン公式アカウント (@comicgene) 2019年4月24日
――以前のインタビューで、『キリザキ君は。』をきっかけに“痛カワイイ系男子”ブームが来ることで、リアルキリザキ君である坂本さんがモテるという野望を掲げていらっしゃいましたが、ジッサイはいかがでしたか?
坂本さん(リアルキリザキ君) モテませんでした。ブームきませんでした。
厳密にいうと、ゲームのキリザキ君のファンになってくれた方は結構いました。とくに、ゲームを最後までやってくれた方から「キリザキ君が大好きになった」「キリザキ君と恋愛してみたい」という声を多く頂きました。
しかし「キリザキ君の元ネタの坂本が好きになった」という声はひと言も寄せられませんでした。ひと言もです。夢も希望もないですよね。
あくまで2次元キャラだから好きになれるということなのでしょうか? キリザキだけモテて僕がモテないのは間違っていますよ、ジッサイ。
――ファンの間ではアニメ化まで待望する声も見られましたが、『キリザキ君は。』の今後の野望をお聞かせください。
坂本さん(リアルキリザキ君) 今後の展開ですか? “モリ子の抱き枕”を作って1万個ばら撒くところまでは考えていましたが……正直なところ、アニメ化は本当に考えていません。
コミックスになったことすら奇跡なのです。ただ万が一にもその目があるのなら、シナリオを短くまとめ直したいですね。原作のゲームには内輪ネタや冗長な部分が多かったので。
物語の核だけピックアップすれば、モリ子視点とキリザキ視点で計2時間くらいに収まるのではないでしょうか。でも、やっぱりアニメ化は夢物語です。さすがにそこまでは思い上がれないですよ。
――『キリザキ君は。』を読んだ方、これから読む方、今後の展開に期待している方など全世界に向けてメッセージをお願いします。
坂本さん(リアルキリザキ君) ゲームは「キリザキ君のような人間は、パッと見では人物像や魅力がわからない」というメッセージを込めて作っていました。
コミックスも、わんにゃんぷーさんがそのメッセージに忠実に描いてくれています。そのため、最初は読んでいてもキリザキ君のことを「なんだこいつ? どこがいいんだ?」と思うことでしょう。そこを作中のモリ子のように辛抱強く読み進めていくと、キリザキ君の意外な内面を見られるかもしれません。
最後になりますが、僕のメイン活動の幕末志士ではよく「幕末志士は風呂敷を広げても畳まない」と言われます。でも、キリザキ君のコミックスは絶対に最終巻まで出し切ります。頑張りますので、よろしくお願いします。
4/27・28のニコニコ超会議で大型スタンディが登場!
4月27日、28日に幕張メッセで開催されるニコニコ超会議にて 、コミックス『キリザキ君は。』の大型スタンディが登場します。
スタンディには持ち帰り自由の試し読みペーパーがついており漫画の1話と2話を読むことができます。
設置場所は【8ホール超IIVブース】。ぜひ立ち寄って『キリザキ君は。』の世界に浸ってみてください!
あとがきやオリジナルシナリオも収録された第1巻!
2018年8月より『月刊コミックジーン』で連載されていた『キリザキ君は。』のコミカライズ。コミカライズを手掛けるのは、漫画家兼イラストレーターのわんにゃんぷー氏です。
本書には高モリ子&霧崎鋭はもちろん、N美をはじめとするお馴染みのキャラクターが登場し、ゲーム内のエピソードが4コマ漫画を中心に楽しめます。
これまで発表された作品のほか、幕末志士によるあとがきやオリジナルシナリオなど、コミックスだけのオリジナルコンテンツも盛りだくさんです。
『キリザキ君は。』コミックス第1巻概要
発売日:2019年4月27日
定価:本体580円+税
発行:株式会社KADOKAWA
漫画:わんにゃんぷー
原作:幕末志士
【コミックス収録内容】
・『月刊コミックジーン』での掲載作品
・『キリザキ君は。』イラストギャラリー(わんにゃんぷー)
・あとがき(わんにゃんぷー、O(オー)、幕末志士 坂本&西郷)
・オリジナルシナリオ『ある日の昼休み』(幕末志士 坂本)