不朽の名作『幽☆遊☆白書』がついに舞台化!
2019年8月28日に東京・シアター1010にて、舞台『幽☆遊☆白書』公開ゲネプロ・囲み取材が行われました。
皆さんご存知、冨樫義博氏原作の人気マンガ『幽☆遊☆白書』がついに舞台化!
本舞台作品は、8月28日の東京公演を皮切りに、大阪、福岡、愛知と主要都市を回ります。
本作のキャラクターたちを演じるのは、崎山つばささん(浦飯幽助役)、郷本直也さん(桑原和真役)、鈴木拡樹さん(蔵馬役)、橋本祥平さん(飛影役)と、2.5次元で活躍中の人気俳優さんがキャスティング。
タイトルがタイトルなだけに、ふだん舞台は見に行かないという層の方からも話題になっている作品です。
霊丸は撃つの? コエンマの小さい体はどうやって表現されるの? 邪眼は?
原作を知っていればあの世界観をどのように表現するのか、めちゃくちゃ気になるところです。
本記事では舞台『幽☆遊☆白書』公開ゲネプロ・囲み取材の模様をお届け! 舞台化された本作の雰囲気を感じて頂ければ幸いです!
浦飯幽助:崎山つばさ
桑原和真:郷本直也
蔵馬:鈴木拡樹
飛影:橋本祥平
雪村螢子:未来
浦飯温子:角島美緒
ぼたん:平田裕香
剛鬼:新田健太
幻海:エリザベス・マリー
コエンマ:荒木宏文
4回の“霊丸”に注目! おしゃぶりの行方は?
ゲネプロの前に、まずは崎山つばささん、郷本直也さん、鈴木拡樹さん、橋本祥平さん、荒木宏文さんの5人による囲み取材が行われました。
まずは、崎山さんから順にひとことずつ本作への意気込みや見どころが語られます。
「いよいよ本日ゲネプロを経て、夜から初日をむかえます。(稽古期間は)1ヵ月ないくらいだったんですけどあっという間に過ぎていって、でもみんなといっしょに作り上げてきました。演劇としてみてもらいたいというのと、2.5次元という言葉が広まっているなかそういう部分も合わせて楽しんでもらいたいです。原作を知っている方は懐かしく思ったり、初めての方は、“こんな舞台みたことない”と思ってもらえるような舞台になっていると思います。本日はよろしくお願いします。」
つづいて郷本さんは、「原作をご存知の方にとって、“このシーンこうなってるんだ!”と思わせるところもありますし、初めての方にとっても、とても観やすい内容になっているんじゃないかと思います。本当にいいチームワークで毎日稽古しておりまして、このチームワークが本番に影響してくると思います。楽しみにしていてください!」とコメント。
鈴木さんは、「(『幽☆遊☆白書』は)僕も小さいころ読者であり、アニメ版の視聴者でもありました。なので稽古初日に参加したとき、浦飯幽助が入ってきた喋り出した瞬間に“『幽☆遊☆白書』が帰ってきた!”と肌で感じました。観てくださる皆さんも同じ気持ちになるんじゃないかと思います。早く皆さんに“新しいけれどもどこか懐かしい『幽☆遊☆白書』”を届けたいなと思います。」と、自身も作品のファンであることを明かします。
橋本さんは、やや緊張の面持ちで、本公演に対する意気込みを語りました。
「稽古が始まって顔合わせをしたときに、これほどプレッシャーを感じたのは初めての体験でした。作品に関わる全員がプレッシャーと戦って、そのプレッシャーを共有してこの場にいるんだなと感じました。原作が始まったころはまだ生まれていませんでしたが、もちろん作品のことは知っていますし、学生のころマンガも読んでいました。それくらい幅広い世代に愛されている作品なので生半可の気持ちではこの場に立っていません。これから初日始まりますが、最後までこのプレッシャーや緊張感と戦いつつ、楽しみつつ最高のものをみなさんにお届けできるように頑張ります。」。
本公演では、コミカルな役を演じる荒木さんは、コエンマのおしゃぶりをしたまま登場したため、「そのままやるの!?」という横からツッコミも。
「おしゃぶりのせいでマイクの持ち方がいつもと違いますが……」と真面目に喋りだす荒木さんの様子に、会場から笑いが漏れます。
「稽古初日からクオリティの高い芝居をみれて、すごく刺激をもらいながら最終日まで常にチャレンジしながら作品を作り上げました。関係者や友人にもすごく注目してもらっていて、“観るのを楽しみにしている”といってもらえている作品の本番を迎えることは、大きなプレッシャーを感じると同時に、期待を軽く超えられるような内容に仕上げてきたので、自信をもって本番に臨みたいと思います。」と
質疑応答では、なぜか郷本さんから荒木さんに質問が。
「本番中でもそのおしゃぶりはずっとしたままなんですか?」という問いに荒木さんは、「そだね!このまま話していこうと思う!聞き取れなかったら会場に字幕が出るかもな!」とコエンマになりきって回答してくれました。
また本作の見どころを聞かれると、崎山さんは「4ヶ所“霊丸”を撃つシーンがありますのでそこを注目していただきたいと思います。」と自身の演じる“霊丸”の演出をあげます。
郷本さんは「ありすぎて困るんですけど……。幽助が桑原に乗り移るシーンがあるんですが、そこの見事なコラボレーションを楽しみにしていただきたいです。あとコエンマがもしかしたらおしゃぶりを落して物語をダメにしちゃう可能性があるので、その瞬間をカメラに収めていただけたら!」とコエンマをいじると、荒木さんは「落としちゃいけない。けど起きるかもしれない。生モノ、怖い!」と舞台で起きてしまうかもしれないハプニングを恐れる場面も。
鈴木さんは、飛影・豪鬼・蔵馬の3人が盗賊団として揃うところ、橋本さんは、飛影の持つ邪眼に注目してもらいたいとそれぞれ見どころを語ります。
最後に荒木さんは「演劇の表現方法が、現代になって技術が上がって、いろいろな手法でファンタジーの世界を表現できるようになりました。この作品でもその技術を取り入れており、みなさんの必殺技などを現代ならではのものを使って表現しているのでそこはシャッターチャンスというか、“映え”ると思います。」と作品の演出について言及。たくさんのファンタジー要素が溢れる内容の『幽☆遊☆白書』。どのようにその世界を表現するのか、本番が楽しみになりますね。
プロジェクションマッピングなどの最新技術が詰め込まれた舞台!
開始時刻を迎え舞台は暗転。ついに待望のゲネプロ公演が開幕です。
暗転された舞台からさっそく流れたきた音楽は、アニメ『幽☆遊☆白書』で使用されたオープニングテーマ『微笑みの爆弾』。
大音量で流れる楽曲に合わせて、浦飯・桑原・飛影・蔵馬らは激しいアクションシーンで魅せてくれます。
桑原が霊剣を振り回したり、蔵馬がバラを散らし鞭を振るったりと、原作を知っている方なら懐かしい気持ちになること間違いなしの演出が開幕からどんどん披露されていきます。
また本作は、囲み取材でも荒木さんがいっていた“現代ならではの技術”、プロジェクションマッピングによって世界観を表現しているのが特徴でした。
常設されている舞台装置のほか、場面によって板を何枚も運び入れ、そこに映像投影することで、かなり躍動感のある演出となります。
さて、場面はかわり、青年バージョンのコエンマと幻海の会話シーンへ。
青年の姿をしたコエンマは原作でも衝撃でした。やたらイケメンになっているにもかかわらずおしゃぶりはそのまま。
しかも中身もそのままなので、動きもしゃべりもコミカル。荒木さんはばっちりとそんなコエンマになりきっておられました。
ふたりは、浦飯たち4人の素質を伸ばすためのものを探しているよう。そのヒントを見つけるため、浦飯・桑原・飛影・蔵馬4人との出会いや思い出を振り返ります。
まずは、不良学生・浦飯幽助が、交通事故に会い死んでしまうストーリーが展開します。
喧嘩っ早く、粗野で乱暴、みんなから怖がられていた裏飯ですが、根は優しく正義感が強いのが彼の特徴。
弱いものを守るため、仲間のためなら命をも惜しまない性格の彼は、道路付近で遊んでいた子どもの身代わりとなり、車に轢かれて死んでしまいます。
浦飯は霊界で、コエンマや、ぼたんと出会い、霊界にとって自身の死は“予定外の死”であること、“霊界獣の卵を育てる”という試練を受ければ生き返ることができるという話を聞きます。
最初は生き返る必要はないと思っていた浦飯ですが、人間界で悲しんでいる母親や、雪村螢子の姿を見て復活することを心に決めました。
またその間には、桑原や、飛影、蔵馬の登場シーンも挟まります。原作をしらない人でも、彼らの人となりがわかる内容となっており、飛影と蔵馬は舞台でもイケメンです。
人気の高いこのふたりのキャラクターを演じるのはかなりのプレッシャーかと思いますが、まったく違和感がありません!
また桑原は、郷本さんの演技により、原作と遜色ない、むしろさらに魅力的なキャラに仕上がっていて、この舞台をきっかけにさらに愛されるキャラクターになるのではないかと個人的には感じました。
ここでは先生に嫌がらせをされるものの、仲間のために喧嘩を我慢し、勉強を必死で頑張るエピソードなども披露されます。
浦飯復活までには、一悶着二悶着あるのですが、見どころのひとつとして挙げたいのは浦飯が霊感の強い桑原に憑依して、螢子に自身の復活を伝えにいく場面。
どうやって憑依するのかと気になっていたところですが、なんとふたりがまったく同じ動きでシンクロすることで、憑依を表現。
しかもかなり長い時間このシンクロ演技が続きます。これはなかなか見ごたえのあるシーンでした。
浦飯復活までを描いた1幕は、あっという間の1時間。15分間の休憩を挟み第2幕は、浦飯が3代目の霊界探偵として活躍します。
桑原の愛猫・永吉を人質に取られ困っていたところ、浦飯が手助けするエピソードでは、ふたりのわだかまりが解けていくような男らしい共闘バトルが見られ興奮すること間違いなしです。
そして、ついに、浦飯と飛影・蔵馬が出会います。
飛影・蔵馬・剛鬼の3人は、盗賊団として、魔界の宝具を盗み出していました。
剛鬼は、人間の魂を取ってしまう宝具を使って好き勝手魂を集めていたところ、浦飯と対峙します。
浦飯を怒らせたのは、浦飯が最初に助けた子供の魂を喰らってしまったこと。最初は鋼の身体の剛鬼に苦戦しますが、最後は確実に“霊丸”を決め戦闘に勝利。宝具も取り返すことに成功します。
浦飯の必殺技“霊丸”は、囲み取材での通り、公演中何度か発動します。最初はいじわるな先生に放つのですがそのせいでいざというときに使えない! なんてハプニングのシーンも。
“霊丸”の演出はこちらもプロジェクションマッピングと、照明効果などを使ってうまく表現されており、それに合わせて演技するキャスト陣にも注目したいですね。
さて、つづいては蔵馬のターンへ。
蔵馬は浦飯に、盗んだ鏡は使い終わったら返すという約束をします。蔵馬は人間界で育ててくれた母親の病気を治すために、その鏡を使いおうとしていたのです。
しかし願いを叶えてもらう代わりに、自身の命を捧げなくてはならないというのが使用条件。自身が死んで、残されたものが悲しみ、苦しんでいる姿を知っていた浦飯。
蔵馬の母親を悲しませたくない一心で自身の魂を分け与えた結果、蔵馬は死を免れ、母親を助けることにも成功しました。原作でも展開される感動エピソードですね。
そして最後は飛影と浦飯の戦いがクライマックスとなります。額の邪眼で、彼はどんなことをするのか、戦いの結末は?
飛影との激闘のあとは、現在の4人の姿ということでしょうか? 4人揃って敵のアジトに向かってくシーンが描かれます。
その続きの内容は今回の舞台では描かれませんが、最後にコエンマが、「またすぐ会える」と意味深なセリフを残していきます。
ん? これは続編の匂い??
たしかに今回の舞台の内容は、『幽☆遊☆白書』のほんの触りの部分だけ。まだまだおもしろくなるのはこれからですよね! 続編の上演を期待しちゃいます。
筆者自身『幽☆遊☆白書』の内容をかなり忘れていたため、ほぼ初見の気持ちで鑑賞した本公演でしたが、キャラクターをちょっとでも見たことがあれば、より楽しめる内容となっていました。
みなさん、紛れもないイケメンで、というか原作を上回るイケメン(個人的見解です!)で正直驚くこと間違いなしです。
崎山さん演じる浦飯は、原作よりも大人っぽいというか、よりヤンキー感が出ていて、かなりかっこよかったですし、コエンマは実際におしゃぶりしながら喋るとこんな感じなんだな〜と思ってしまったり、蔵馬は相変わらず美しいですし、飛影はトゲトゲしてますし、桑原は原作ではルックスをいじられたりしますが、正直、郷本さんの桑原はかっこいいです(笑)。
コミカルな面、シリアスな面の両面を併せ持つストーリー展開、肉弾戦によるアクション、そして“霊丸”や“邪眼”といった現実ではないファンタジー要素によるバトルなどで最後まで観客を飽きさせませんでした。
当時アニメを見ていた世代の人は、懐かしい気持ちで観れると思いますし、初めての方でも原作ストーリーをなぞっているので問題なく楽しめると思います。
本公演は、以下の日程で上演中! 行かれる方は、新しい『幽☆遊☆白書』を存分に満喫してくださいね!
公演概要
【公演名】舞台『幽☆遊☆白書』
【原作】冨樫義博『幽☆遊☆白書』(集英社 ジャンプコミックス刊)
【会場&日程】
東京公演:シアター1010/2019年8月28日(水)~9月2日(月)
大阪公演:森ノ宮ピロティホール/9月4日(水)~9月8日(日)
福岡公演:ももちパレス/9月10日(火)~9月13日(木)
愛知公演:一宮市民会館/9月20日(金)~9月22日(日)
【脚本・演出】御笠ノ忠次
【出演】
崎山つばさ/郷本直也/鈴木拡樹/橋本祥平/未来/角島美緒/平田裕香/新田健太/エリザベス・マリー/荒木宏文
【主催】舞台「幽☆遊☆白書」製作委員会(Office ENDLESS/ぴえろ/読売広告社/サンライズプロモーション大阪/バンダイナムコアーツ)キョードー西日本(福岡公演のみ)
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(C)舞台「幽☆遊☆白書」製作委員会
(C)Yoshihiro Togashi 1990年-1994年