泉鏡花 声:神谷浩史 | |||
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武器 | 刃 | 派閥 | 尾崎一門 |
代表作 | 高野聖 | 婦系図 | – |
回想 | 金色夜叉 | 高野聖 | あらくれ |
金色夜叉 | – | – |
落ち着いた外見とは裏腹に強気で相当な潔癖症。清潔な手袋を常に身に着け、素手で物を触ることを避ける。食事においても一度火を通したものをもう一度火に通さないと気がすまないようだ。師匠である尾崎紅葉に対して忠誠を誓っており、彼を批判するものは誰であろうと許さない。趣味はうさぎグッズを集めること。
モデルになった泉鏡花はこんな人!
筆名:泉鏡花
本名:泉鏡太郎
出身地:石川県金沢市下新町
生年月日:1873年11月4日
没年:1939年9月7日(満65歳没)
生涯
金沢の錺職人の父と、江戸出身の母の間に生まれる。
1889年に尾崎紅葉の『二人比丘尼 色懺悔』に出会い、文学を志す。翌年紅葉に入門し、書生生活を始めた。
1893年には京都日出新聞に処女作「冠弥左衛門」を連載。
翌年父を失って仕送りが途絶えたことで、本格的に文筆業に専念。精力的に小説を発表する。
1900年に代表作『高野聖』を発表し、人気作家となった。
生前から名声を得て、各社から作品集を発行された幸運な文豪である。
作品の特徴
「さあ、あの神様の手が障れば鉄砲玉でも通るまいと、蜘蛛の巣のように評判が八方へ。
その頃からいつとなく感得したものとみえて、仔細あって、あの白痴に身を任せて山に籠ってからは神変不思議、年を経るに従うて神通自在じゃ。はじめは体を押つけたのが、足ばかりとなり、手さきとなり、果ては間を隔てていても、道を迷うた旅人は嬢様が思うままはッという呼吸で変ずるわ。
と親仁がその時物語って、ご坊は、孤家の周囲で、猿を見たろう、蟇を見たろう、蝙蝠を見たであろう、兎も蛇も皆嬢様に谷川の水を浴びせられて畜生にされたる輩!」(『高野聖』より))
日本における幻想文学の先駆者。
江戸文学の怪奇趣味と、近代ロマン主義を融合させた世界を描いた。
心中などの悲恋を描いた作品も多く、江戸期から近代への過渡期そのものを体現する作家と言える。
人間関係
【尾崎紅葉】
師匠。
無名時代の自分を養ってくれただけでなく、初期の連載時には担当への口利きも行ってくれている。
尾崎が元芸妓であったすずとの交際に反対したため、泣く泣く離別したほどである。
尾崎の死後に泉はすずと結婚し、生涯大切にした。
【徳田秋声】
同門。
徳田は尾崎から離れ自然主義一派に加わったため、泉との仲がよくなかった。
尾崎の死後に徳田が「尾崎が死んだのはお菓子を食べすぎて胃を悪くしたからだ」と言ったときには、殴り合いのけんかになったという。
後年には和解。
【中島敦】
直接面識はないが、泉の作品に大きな影響を受けた作家。
趣味・嗜好
【潔癖症】
病的なまでの潔癖症で、熱を通さない食べ物を絶対に口にしなかった。
お菓子はアルコールランプで炙り、エビやタコなどの見た目が悪い生物は絶対に食べなかったという。
【ウサギ好き】
酉年生まれであったため、向かい干支のウサギにちなんだアイテムをコレクションしていた。
マフラーにまでウサギ柄を使用していた。
【恋愛観】
尾崎の死後に結婚した妻・すずを熱愛しており、生涯相手の名を彫った腕輪を肌身離さず持っていたという。
また喫煙家であったことでも知られるが、吸い口が汚れないように妻のお手製のキセルキャップを愛用していた。
代表作
『高野聖』
高野山の高僧が、若き日に体験した人間を獣に変える女妖について語る幻想怪奇小説。
あやしの世界を、写実と幻想が入り混じったいきいきとした筆致で描く。
『婦系図』
軍人と芸者の悲恋を描く物語。
前半では悲劇のラブストーリーが、後半では復讐譚が展開され、がらりと様相を変える芝居的な展開が魅力。
もっと詳しく知りたいなら?
泉鏡花の生家跡に建つ木造二階建と土蔵三棟からなる建物を改修整備した資料館。